2021年1月23日 (土) 10:00~12:00

第28回サイエンスカフェかごしま 「折り紙で作るかんたん分子模型!-エタノールを作ってみよう-」

話し手:佐藤健太郎さん (サイエンスライター)

開催場所:Zoomを利用したオンライン実施

参加人数:小中学高校生10名、一般(大学生以上)・スタッフ8名

 1月23日、第28回サイエンスカフェかごしまを開催しました。今回は「折り紙で作るかんたん分子模型!-エタノールを作ってみよう-」と題して、サイエンスライターの佐藤健太郎さんから話題提供いただき、小中学高校生(10名)と一般(大学生以上)・スタッフ(8名)が参加しました。今回もZoomを利用したオンラインの長所を生かし講師の佐藤さんは東京から参加していただきました。また、鹿児島県外から参加いただいた方も多数いらっしゃいました!

 

 感染症対策にアルコール除菌は欠かせませんが、なぜアルコール(エタノールが主成分)は細菌やウイルスに効くのでしょうか?今回のサイエンスカフェでは、折り紙を使ってエタノールの立体分子モデルを作り、その理由を学ぶことが目的でした。

 

 まず、私たちの身の回りにある物質のほとんどは炭素や酸素、窒素、水素のような限られた原子からできていて、それらが集まって繋がることで分子ができ様々な性質を示すことを学びました。そしてその中でも炭素を中心とした分子を扱う学問が「有機化学」というジャンルだと知りました。原子がどのように集まって繋がっているかはとても重要で、この構造を私たちが目で見て理解しやすくするためのツールとして立体分子モデルがあること、この立体分子モデルを折り紙で簡単に作れることを教えてもらいました!エタノールは炭素2つ、酸素1つ、水素6つからなっているため、まずはこれらを折り紙を使って作りました。そして出来たそれぞれの原子を別の折り紙の継ぎ手を使って更に繋げていきました。なかなか細かい作業でしたが、参加者の皆さんは器用にどんどん組み立てることができました。

 出来上がりを見てみると、エタノールは炭素でできた疎水性部分と酸素でできた親水性の部分に分けることができ、この構造によってウイルスや細菌の細胞膜を壊すことができるため除菌効果があることを学ぶことができました。また今回は9つの原子の組み合わせでしたが、これを沢山増やすことで、他にも様々な分子を組み立てられることも、実際に佐藤先生が作った作品をみて学びました。佐藤さんの作品が高校の化学基礎の教科書にも載っているそうです!!

 

 最後にみんなで出来上がったエタノール分子を画面上で見せ合いながら写真撮影、質問タイムとなりました。折り紙を切らずに正方形から今回の元素を作る方法(折り紙の折り方も流派がいろいろあるそうです。)や、サイエンスライターという仕事について、また毒と薬は紙一重?、製薬会社に入るには薬学部に行くのが良いの?、なんていう質問もあり開始から2時間があっという間に過ぎさり、スタッフを含め参加者それぞれが「分子構造と折り紙」の奥深さに触れる良い機会となりました。

世話人:加藤太一郎 (鹿児島大学理学部)