2018年3月11日(日)

第14回「『光』の化学」開催報告

話し手:新留康郎(鹿児島大学理学部)

参加者:24人

開催場所:Brains Studio

「ロウソクはなぜ光るのでしょう?」と、シンプルですが答えるのが難しい問いから始まった今回のサイエンスカフェ、鹿児島大学理学部の新留康郎さんが光の化学について教えてくれました。
 ロウソクの炎、蛍光灯の光、LED、太陽光、世の中には色んな光がありますが、光る原理は色々異なるようで、例えば、蛍光灯は原子の発光(輝線)、太陽光は黒体放射(高温の振動子による発光)らしいです。実際に、マルチチャンネル分光器で光のスペクトル(波長ごとに波の強度をプロットしたもの)でそれぞれの光を解析してみると、蛍光灯では輝線スペクトルを、太陽光では、連続したスペクトルを検出することができました。ちなみに、今回の冒頭部で様々な塩や金属の炎色反応を新留さんが見せてくれましたが、これも蛍光灯と同じで原子の発光だそうです。
 『神は「光あれ」と言われた。すると光があった』と言うのは、創世記の有名な一説だが、そこで納得せず、なぜ光があるのか?どうして光るのか?と考えるのが、宗教とサイエンスの違いですと新留さんが仰っていましたが、まさにその通りで、今回、実際に実験を踏まえながら、その結果がどうなるかを皆で考えて、意見を出し合って、サイエンスすることができました。さて、「ロウソクはなぜ光るのでしょう?」この答えは、意外に複雑なので、またどこかで...

塩や金属を燃やして、炎色反応を観察しました。燃やすものによって様々な色の炎が見られましたが、この色(波長)は、原子の中の電子の軌道で決まるそうです。

マルチチャンネル分光光度計で様々な光のスペクトルを観察しました。

今回特別に用意して頂いたお菓子と紅茶。お菓子は光をイメージして作って頂きました。紅茶はノーベル賞の授賞式の晩餐会で提供されるものと同じものを準備して頂きました。