最近名前を聞かない日は無い、新型コロナウイルスの性質、ワクチン、治療法について北里大学の植松崇之さんにお話して頂いた。新型コロナウイルスの話に入る前に、ウイルスと免疫についての概論があったが、医学部の学生でも理解するのが難しい複雑なウイルス免疫の話を、例えば、サイトカインを細胞の食料に例えたり、抗体を手裏剣のような飛び道具に例えたりして、難しい用語は用いず、わかりやすく解説頂いた。参加者アンケートの結果でも『一般的の方向けの説明を意識してありわかりやすかった』という回答が多かった。新型コロナウイルスやCOVID-19に関しては、その研究をしていないと知らない最新の知見をお話し頂き、勉強になった。最近、変異ウイルスの話題も多く聞かれるが、新型コロナウイルスで変異が多いわけではなく、一般的なウイルスと同程度で、むしろ、ウイルスに変異はつきものなので過度に恐れる必要は無いとお話があった。さらに、新型コロナウイルスに対するワクチンは、人類史上、例を見ないスピードで開発されたそうであり、現在も様々なワクチンや治療法が開発されているそうだ。植松さん自身も2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士と共に、抗寄生虫薬エバーメクチンを改良して、新型コロナウイルス治療薬の開発にご尽力されている。今回のお話で、このようなワクチンや治療法も重要だが、うがい、手洗いや、密をさけることなど、一般的に言われていることも、ウイルス感染を防ぐために重要であることも改めて確認できた。